きびだんご

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最近、幼稚園のお誕生日会でやっていた桃太郎の劇(わたしも見に行った)に影響を受けて、長女は桃太郎の話を劇風に再現することが流行っている。わたしも参加させられる。わたしは、おばあさん、犬、キジ、ウサギ、牛、鬼などの役をやったりする。ウサギ、牛などは実際には出てこないキャラクターだが、粘土で作ったきびだんごが余って登場した。

桃太郎といえば、わたしも小さな頃、母親から桃太郎の話を聞いていたらしく、母親はよく「あなたは、本当に小さいのに、桃太郎の話を上手に真似してはじめから最後まで全部お話してくれたのよ」と言っていたのを思い出したりする。

長女が最近桃太郎の話が気に入っているところを見ると、この話は子どもには覚えやすいのかもしれない。桃から出てきた桃太郎が鬼退治に行くという単純な構造の昔話。

長女が一番好きなくだりは、「きびだんご」の部分だと思われる。お菓子が大好きな長女は、「きびだんごをもらって、鬼退治に行く」というシチュエーションが好きなんじゃないかと思う。サルさんも、犬さんも、キジさんも、きびだんごに釣られて鬼退治に行く。

結局、人間、「食」である。美味しいものを食べれば、打ち解ける。仲間になれる。餌付けも、その人間の特性を利用した有効な手段である。食べること、それは単純だが、人間が人間であるために基本的で大切なことだと、改めて思う。

桃太郎の中の「きびだんご」。昔は、それが桃太郎の話の中でそこまで重要なものだとは思っていなかった。でも今は違う。きびだんごは、桃太郎の話の中でも、かなり重要なファクターであると思う。きっと、きびだんごがなければ、サルさんも犬さんもキジさんも鬼退治には一緒に来てくれなかっただろう。

結局、そういうことなのだ。人間って、結局は、美味しいものによって心が動くもんなんだね。サルさんも犬さんもキジさんも人間ではないんだけど。