あれから5年。そして、これから。

NO IMAGE

気付けば、会社を辞めてから5年が過ぎようとしている。その間に子どもを2人産んで、なんとかはじめに志した在宅翻訳者の道を歩んでいる。会社時代は5年8か月、在宅翻訳者時代は翻訳チェックなどの周辺業務も含めると4年2か月(現在進行中)だ。まだ、会社時代のほうが長いのであるが、ここまでフリーランスとしてやってきて、なんとなく肌感覚として自分はフリーランスに向いている気はしている。

もし実力と時間があって、フリーランス通翻訳者として活動できたなら、自分は満足できる気がするのは、気のせいだろうか。5年前は通訳なんて検討対象にも入らない夢の職業だった。でも、在宅でのあらゆる英語に関する努力の結果、通訳も目指してもよいような気がしてきた。

フリーランスでそれなりに仕事をもらえるようになってしまうと(とはいえ、わたしの場合は大した量でもないのだが)、もう会社員にはなかなか戻れない気もする。会社という仕組みに慣れるのも性格的に難しいし、何よりもフリーランスの快適さを手放したくないという欲も出てきてしまう。

ただ、問題なのは、「通訳も目指したい」と言っている自分が、通訳に向いているのかどうかは今のところ不明ということだ。おしゃべりは好きだが、たまにどもったり、言葉に詰まったりすることが比較的多く、聞き手の理解度に応じたしゃべりなどはほぼできず、話も論理だっていないことが多いような自分が、「通訳者にもなりたい」などと大々的に言うのは、あまりにも世間知らず、または恥知らずなのではないか。

そんな自分は、今日はITとは少し離れた半導体・電子部品関連の翻訳レビューをさせていただいている。他の翻訳者の翻訳文を見るというのは、非常に勉強になる。今回の翻訳者は、とても流暢な日本語で訳文を作り上げていて、非常にレビュー自体もやりやすい。そうすると、レビューアとしての価値を出す部分に注力できるので、よい関係性が出来上がっているように思う(思うだけ)。

しかしながら、翻訳のほうの仕事の受け方も難しいところで、付き合う翻訳会社が増えると断らなければいけないことも出てきて、断ると依頼が少なめになったりして、仕事量を安定させるのが難しい。かといって、あまり新しいことに挑戦しすぎると、今の仕事から得るものが少なくなってしまい、結果的には、非効率になる場合もあるだろう。

会社にいたら、会社の中でよい仕事をして会社の給与体系に沿ってお給料があがっていくわけだが、フリーランスの場合は、何か収入を増やすための施策をうっていかないと、何もしないままでは収入の上昇は見込めないわけで、かといって新しい挑戦ばかりしていると逆に収入が下がることもあるわけで。

それで結局、こうやってダラダラと文章を書いている先に、何を見出したいのかというと、「これから自分はどの方向に注力して進むべきか」ということである。

やたらめっぽう新しいことに挑戦していたんでは、事業の焦点が定まらない。自分の強みは何なのか、その強みをどう活かして仕事につなげていきたいのか、それにはどうしたらいいのか、結果的に収入アップにつながるのはどのような活動なのか…そういうことを考え続けている昨今である。