IT翻訳勉強会

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昨日、IT翻訳をしている同業者のお友達とIT翻訳に関する勉強会という名のランチ&お茶会に行ってきた。Twitterで声をかけてもらったあと、翻訳者たちのオフ会であったり、お茶したりして、仲良くなったお友達である。お友達の体調やお互いのスケジュールなどの関係で、今回の勉強会は前回会った時から考えると、約1年ぶり。1年の間に、お互いの生活スタイルや翻訳仕事にも変化があり、その話をつれづれと話しながら、わたしは健康で元気に再会できたことを嬉しく思った。

お友達が教えてくれた趣ある喫茶店で、ひとしきり気になる話題を話した後、今度は別の喫茶店に移動して、ランチを兼ねたIT翻訳勉強会。1年前に会った時に決めた課題のニュース記事をお互いに訳したものを見せ合いながら、気になる点について議論しながら、ランチ。

お友達の訳文に対する細やかな気遣いに、感心しっぱなしの自分。なるほどー、そんな風なことを気をつけているんだぁ〜、なるほどー、その表現いいねー!!なるほどー、そういう訳し方もありなんだ〜!!という、なるほどの嵐。お友達は翻訳系の講義やセミナーもいっぱい受けていて、やはり翻訳の技に関する引き出しが多い。そういう話を聞けただけで、ちょっとした講義を受けた感じになり、講義料を払わなければならないのではと思うくらいだった。

しかし、わたしも一応翻訳者として多少なりとも稼いでいる者として、何か自分の翻訳の技を披露しなくてはならないとも思い、訳文に対してどういうことが気になるのか、どういうことを気にして訳したのか、どういうところに拘って訳しているのか、ツールはどうやって使っているか、などを話をした。

ところどころ、訳文に対する意見の相違的なものがあって、お互いの感覚や知識を総動員して白熱した議論をする場面もあり、一瞬終着地点が見えにくくなったところもあったが、なんとか課題を最後の方まで終わらせつつ(そこまでの議論でお腹いっぱいで、微妙に最後までやってないかもしれない)、最後は今お互いがやっている翻訳仕事についての情報交換をして、勉強会が終了した。

そして、わたしはお友達とまた勉強会やろう!という話をして、急いで電車に乗り、駅から自転車で1回家に帰ってから、今度は久しぶりに夕方まで預けていた次女を車で保育園に迎えに行き、そのまま幼稚園の預かり保育に行っていた長女を迎えに行き、帰ってから夕飯作りをしてお風呂はいらず寝かしつけて寝てしまった、忙しない夜を送り。

夜中に目覚めてお風呂に入り、目覚めた次女を添い乳で寝かしつけ、静かに昨日のIT翻訳勉強会のことを振り返ってみたのだが、実に、実りのある勉強会であったと思った。特に、自分には「日本語表現に対する飽くなき追求心」が足りないと感じることができたのが大きかったように思う。

ここのところの自分の翻訳力についての問題意識は英語力にあり、「原文の理解が足りない。英語力がないからだ。英語力をあげよう!」と思い、勉強も英語力に重点を置いていたところがあった。それは間違いではないし、やはり、今のわたしには重要な課題であることには変わりはないのだが、それに加えて、日本語力も上げなければならないと感じることができた。

今までの自分には、「自分は日本語ネイティブなんだし、日本語の文章に対するそれなりの好き嫌い的な拘りはある。文章を書くのは好きだし、だからと言って文芸的な才能があるとは思えないのだが、それでも、産業翻訳をやる分に必要な文章力はあるだろう。わたしの書く文章にそこまで問題はないだろう。」という、根拠のない、自分の訳文に対する「これで十分」的な線引きがあった気がするのだが、「訳文に十分なんてない」という風に感じれて良かったと思う。

今回の課題分に対する訳文は、推敲はせずにザックリ訳で望んだので(お友達の了承も得て)、持っていった訳文が十分だったとは思えない状態だったのだが、一緒に推敲する過程で、自分の推敲パターンとは異なる視点が入ったことで、自分が今まで「十分」としてきた推敲レベルが、上がったようにも思う。そういう意味で、実りがあったのかなと。

しかし、お友達は勉強会によってぐったり疲れてしまったようで、申し訳なかった。次は、もう少し疲れずに、議論を展開できるような勉強会ができるよう、自分の人間力もあげておく必要があると感じた、IT翻訳勉強会でありんした。