ロケット打ち上げから考える、典型的な日本の問題。
単なる会話からの話なので、特に入念なリサーチをしたわけではない話ではあるのだけど、旦那さんと話していて、同じロケット打ち上げでも、日本とアメリカの報道の違いに差があるように感じた話である。
わたしの旦那さんはロケット打ち上げが好きなので、H2ロケットの打ち上げがあるとYouTube動画のリンクを送ってくれたりする。
わたしは、特にロケット打ち上げがものすごく好きというわけでもないけれど、リンクを送られたらやっぱり見たくなるし、単純に宇宙に行く技術力って相当凄すぎるよなぁ…という、よくわからないけど凄いものに興味が瞬発的にわく(と言ってる時点でそんなに好きじゃないのだと思うが)ので、H2ロケットの打ち上げのYouTube動画を見た。
H2ロケットの打ち上げは、はじめは成功したように見えたが、そのあと失敗して、とても残念です、というコメントが映されていた。
そっかー、失敗したのかー、と思いながらわたしはその動画を見終えた。
それから数日後、今度はスマホの通知かなんかでSpaceXの打ち上げがあることを知り、なんとなくH2ロケットの打ち上げを見た後だったので気になってSpaceXの打ち上げも見た。
打ち上げの瞬間に、アメリカらしい喜びに満ちた歓声があがった音声も流れ、ロケットは宇宙へ飛び立った。
そっかー、成功したのかーと思いながらわたしは動画を閉じた。
それから後日、この話を何気なく旦那さんに話したところ、旦那さんから意外なコメントが返ってきた。
そのコメントとは、今回のH2ロケットとSpaceXの打ち上げは結果としては同じらしい。
日本が失敗したと報道していた部分は、アメリカではそもそも失敗するかもしれないと事前に告知されており、成功すべきところは成功したから、成功のように見えるだけとのこと。
わたしはその話を聞いて驚いたし、悲しくなった。
完璧を求めすぎる日本人って不幸だなと思った。
自分を責めながら高みに行こうとするその精神はある意味凄いし、それが日本の強固なインフラ基盤を支えているとも言えるのだけれど、どうも、こういう思想が日本人の自己肯定感を低めているような気がしてならない。
小さなことでもいいから、自分や他人を褒めて賞賛して伸ばす。
その土壌が日本に欠落しているのではないか。
ちなみに、旦那さんによるとJAXA自身はH2ロケットの打ち上げは失敗したとは言ってないらしく報道がそう言わせる意地悪な質問をしたのだという。
そういう意味ではJAXAの中にいる人は自己肯定感が比較的高そうである。しかし、それを取り巻く報道がよくないのだろうか。
なぜだろう。同じ事象に対して謝る日本人と、喜ぶアメリカ人という、よく聞く典型的な両者の違いのように見えてしまうのは。
この問題を思うとき、わたしは、仕事が好きではない人たちのことを思い浮かべる。
どうしてそんなに苦しみながら仕事をするのか。
仕事は苦しいものだという固定観念があるのは、なぜなのか。
もっと、自分の良さを伸ばす教育を受けていたのなら、こんなに仕事が辛いと言いながら仕事をする人たちが生まれるだろうか。
この生きにくい社会が、鬱病などの精神疾患を増加させているようにも思うし、もっと、皆が生き生きと働く世の中にならないものかと、思うのだけれど、これは単なる、無知な人間の戯言なのだろうか。
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