涙と希望

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たまに出くわす。涙と希望の入り混じる瞬間に。過去に涙し、未来に希望を持つ瞬間に。どういうわけだか、わたしは、過ちを犯さず生きられず、どういうわけだか、新しい世界が目の前に広がると、いてもたってもいられない感覚になる。

どうして、わたしは、そうやって簡単に捨てられるんだろうか。

いや、捨てたわけではない、もらったものを胸に抱いて、新しい世界に踏み出すだけだ。何も捨ててなんかいない。でも、何か、残酷なことをしているような気になってしまうのは、実際、残酷なことをしているからなのかもしれない。

それで、わたしはなぜ平気でいられるのか?

いや、平気でなんかいられるはずがないじゃないか。未来があると信じていた過去を思い出せば涙が出る。心は、どうしても重くなりがちになって、自分が普通にできているのかできていないのか、分からなくなる。

それでも、わたしはそれを望んだ。

その事実は、明らかであり、今でもそれを望んだことは、いろいろな意味で必要なことだったと思う。けれど、見方を変えれば、わたしは、限りなく自己中心的で、周りのことなんか考えちゃいない、ただの暴れん坊・・・にも思えたりする。

本当は、そうなのかもしれない。

神様、わたしの選択を、どうか、よい方向に導いてください。 そんな風に神頼みしたって、それが何になるわけでもなく、結局のところ、これからわたしに何ができるのか、それを考える他ない、そんな風に思う、仕事帰りの夏の終わりの夜でした。