『知りたがりやの猫』を読んで。
突然だけど、みんな映画を観て泣いたり、本を読んで泣いたりすることってあると思うんだけど、みんなって本当に純粋に映画の内容に泣いていたり、本の内容に泣いていたりするんだろうか。
わたしは、変な話だけど、純粋に本の内容で泣いた記憶は、子供の頃にしかないように思うことがある。今でも本を読んで泣くこともあるけれど、実は、本の内容に泣いているのではなくて、本の内容から喚起された自分の人生に泣いていることっていうのがある気がしている。
この本もそうだった。
この本を読んでいたら、なぜか悲しい過去を思い出して、泣けてきた。本の内容を頭の片方で読みながら、頭の片方は昔の悲しい記憶を呼び覚ましていた。ここでいう悲しい過去っていうのは、色々あるけれど、ひとつ、今日ここで暴露するとしたら、わたしが家で暴れん坊だったということだろう。
それはもうすごい暴れん坊だった。暴れだす感情を抑えることが出来ずに、わたしは泣いたし、泣き叫んだし、壁をぶん殴って穴を空けたし、そんなわたしを見て、母親は「こんなところを結婚相手に見せたら、一辺で幻滅よ」と言われた。
別に、暴露してどうってわけじゃないけれど、別に過去がどうとか言うわけじゃないけれど、久しぶりに思い出した感覚だった。すっかり忘れてた、自分が暴れん坊だったってこと。一人暮らしを始めて、わたしは暴れん坊にならずに済むようになった。
寂しいとは思うけれど、暴れん坊になるよりは、ずっとましだ。
だけど、暴れん坊にもうならないと保証できるなら、寂しさからも抜け出したい。
それにしても、わたしの中の、ものすごく冷静な部分っていうのは、この暴れん坊が落ち着いた部分なんじゃないかと思う。わたしの中の暴れん坊が、ついには暴れるのに疲れて、世の中を斜に構えて見ている・・・みたいな、そんな感じだ。
わたしの中の暴れん坊は、今、何を考えているだろう。
変な話だけど、暴れん坊が暴れだしたときは、自分は二重人格なんじゃないかと疑ったものだった。
そんなことも、書いていたら色々思い出してきた。
全然本の内容と関係ないや。
でもいいんだ。本を読んで…頭の中に蘇ってきたことを、文字にしてみたかっただけだから。
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